情報系システム
情報系システムInformation Support System
経営管理やマーケティング高度化など、戦略的な銀行経営を支える重要システム

情報系システム

情報系システムの概要

情報系システムの形態は金融機関ごとに異なりますが、顧客情報や取引情報等を明細単位で保有するデータウェアハウス(統合DB)と、営業店計数や収益情報等の集計値を保有する共通DB(目的別DBの一種)の2種類を構築する場合が多いようです。

情報系システムは、経営管理系システム、リスク管理系システム、営業支援系システムなどへデータを提供する「データハブ」としての役割も担っているため、ETLツール等のデータ加工機能を具備しています。

このほか、ユーザ向けにOLAPツールやデータマイニングツールなどのビジネスインテリジェンスツールを提供しており、当システムが保有する膨大なデータを様々な角度から分析できるようになっています。

近年、デジタル金融サービスの広がりやFinTech・異業種との連携などにより、情報系システムに求められる役割は年々拡大しています。マーケティングの高度化(EBMへの活用等)や金融犯罪対策の高度化やマネー・ローンダリング対策への活用等など、金融機関ではこれまで以上に情報系システムを活用することが期待されています。

情報系システムの概要図

以下に典型的な情報系システムの概要図を示します。各金融機関により、システム構成は大きく異なります。

情報系システム

情報系システムの種類・機能

データウェアハウス(統合DB)

データウェアハウス(統合DB)は、勘定系システム等から受領した口座情報や取引データ等のデータをもとに、利用者が集計・分析しやすいようデータの加工や正規化を行った、明細単位のデータを保有しています。(加工・正規化を行わず、勘定系システムの元帳形式のデータを、そのまま保有している場合もあります。)

勘定系システムなどの自行システム内のデータだけでなく、外部情報提供機関からの信用情報や地域計数等のデータも保有しており、内部データと外部データと組み合わせて、様々な切り口で分析できるようになっています。

また、ユーザの分析業務や帳票作成業務等をサポートするために、ビジネスインテリジェンスツールと呼ばれる以下のようなツール群が提供されています。

データウェアハウスは、様々なシステムのデータを蓄積すること、及び明細単位でデータを保有することから、そのデータベースの容量は非常に大きくなります。このため、パフォーマンス(処理速度)はシステム構築時に大きな課題となります。

データウェアハウスの処理速度向上のために、これまではデータ保有世代数の削減や、重複データの排除といった対策が取られてきました。しかし最近では、データウェアハウス自体を高速化する技術も発展してきており、例えばインメモリデータベースや、非リレーショナル(NoSQL)型データベース等の処理基盤を活用する動きが見られます。

さらに、データウェアハウスを丸ごとクラウドのクラウド上にマイグレーションして、機械学習や生成AIを用いた高度な分析を行う金融機関も増えてきています。具体的には、GCP BigQueryやAWS Redshiftといった製品を用いて、数テラバイトや数ペタバイトというビッグデータを高速で解析しています。

データの活用の観点では、近年、データウェアハウスが保有するデータを用いて様々なニーズでの活用が進められています。以下にいくつかの代表事例を紹介します。

共通DB

共通DBは、勘定系システム等から受領した顧客情報や科目単位の口座数や残高、手数料等の情報等をもとに、月日単位や店舗単位等で集計したデータを保有するシステムです。主に定型帳票の作成や経営管理などに活用されています。

具体的な帳票としては、月次で各科目残高等を集計した店舗計数票や、当局宛の報告帳票、経営管理用帳票などがあります。

もともと第3次オンライン時代にはメインフレーム上に情報系システムが構築され、このような定型帳票作成が行われていました。その後、オープン系システムやオープン系接続プリンタの性能が向上してきたことから、順次オープン化が進められ、この共通DBへと進化を遂げてきました。

製品・サービス一覧

 情報系システムの製品・サービス一覧は、以下のページを参照ください。