事務集中システム
事務集中システムの概要
かつて各金融機関は、内国為替(振込伝票)の処理や口座振替依頼書の登録といった様々な事務処理業務を、各営業店の営業店端末や後方事務支援端末等を用いて行っていました。
その後、金融ビッグバンや金融機関の統廃合の流れの中、営業店の経費削減や営業力強化が求められるようになってきたことから、営業店後方事務処理のうち、量が膨大で一括処理したほうが効率的な事務処理について、順次、事務集中センターに集約してきました。
事務集中センターで取り扱っている事務処理業務としては、口座振替依頼書の登録処理、振込依頼書や総合振込依頼書書等に基づく為替発信業務や組戻し業務、手形・小切手関連業務(持出、持帰、期日管理等)などがあります。
事務集中システムは、このような事務集中センター等における事務処理業務を支援するシステムであり、各業務単位に特化したシステムや複数の業務を統合的に支援するシステム、あるいは、要員管理や事務の予実管理まで支援するシステムなどがあります。
事務集中システムの概要図
以下に事務集中システムの例を示します。各金融機関により、システム構成は大きく異なります。
各事務集中システムの概要
代表的な事務集中システムの概要について説明します。
統合イメージ処理システム
統合イメージ処理システムは、口座振替依頼書、振込依頼書、手形小切手などをイメージデータ処理(スキャン、OCR化等)することにより、入力作業や管理作業等を効率化するためのシステムです。
後述する口座振替管理システムや為替集中システム、本人確認書類管理システムなどは、イメージ処理や入力データ補正作業などの共通的な機能を有しているため、統合イメージ処理システムを構築して、これらのシステムを統合する流れも出てきています。
口座振替管理システム
口座振替管理システムは、事務集中センターにおける口座振替依頼書のスキャン、紙媒体管理、ホスト登録等など、口座振替業務全般を支援するためのシステムです。詳細は個別の解説ページを参照ください。
為替集中管理システム
為替集中管理システムは、従来営業店で個別に実施していた振込依頼書や総合振込依頼書書等に基づく為替発信業務や組戻し業務について、事務集中センター等での事務処理集中化を支援するためのシステムです。詳細は個別の解説ページを参照ください。
手形・小切手管理システム
手形小切手管理システムは、事務集中センター等における手形・小切手に関する集中的な事務処理(持出、持帰、期日管理等)を支援するためのシステムです。詳細は個別の解説ページを参照ください。
印鑑照合システム
印鑑照合システムは、これまで目視で確認していた印鑑照合について、印影イメージデータで機械的に照合することにより、印鑑照合事務を効率化するシステムです。
税公金処理システム
税公金処理システムは、各種納付書(領収済通知書)のOCR読取り、分類・集計、ホストへのデータ送信等を実現し、公金や歳入金等業務の効率化を支援するシステムです。
本人確認書類管理システム
本人確認書類管理システムは、口座開設時等に顧客から徴求する本人確認書類を事務集中センター等に集約し、電子化した後で、倉庫等で集中的に管理するためのシステムです。近年ではスマートフォンを活用したシステムも登場しています。
諸届管理システム
諸届管理システムは、従来営業店で実施していた諸届(事故届、変更届等)に関する処理を事務集中センター等に集約し、効率化するためのシステムです。
営業店でスキャナで読み込んだ諸届帳票データをもとに、事務集中センター側で勘定系システム処理等を実施し、営業店側ではイメージ照会や進捗確認ができるようになっています。
文書管理システム
文書管理システムは、金融機関の各種伝票・帳票類や重要文書類について、イメージ処理や倉庫への入庫から廃棄までの文書サイクル管理等を行い、文書管理業務の効率化、セキュリティ強化を実現するシステムです。
債権書類管理システム
融資実行にあたって必要となる様々な債権書類(契約書、抵当権書類、担保書類等)について、本部または事務センターに集約した後、電子化やラベル付けを行い、入出庫作業・照会業務を効率化するシステムです。(融資支援システムの頁で解説しています。)
個別システムの概要
事務集中システムを構成する個別システムの概要については、各解説ページを参照ください
口座振替管理システム
口座振替管理システムは、事務集中センターにおける口座振替依頼書のスキャン、紙媒体管理、ホストシステムへの登録など、口座振替業務全般をサポートするシステムです。このシステムにより、口座振替に関する事務処理の効率化が図られます。
為替集中管理システム
為替集中管理システムは、従来営業店ごとに行われていた振込依頼書や総合振込依頼書に基づく為替発信業務および組戻し業務を、事務集中センターなどで集約して処理するためのシステムです。これにより、事務処理の集中化と効率化が実現されます。
手形・小切手管理システム
手形・小切手管理システムは、事務集中センターにおける手形や小切手の集中的な事務処理を支援するシステムです。具体的には、手形や小切手の持出、持帰、期日管理などの業務を効率化します。ただし、2026年度末をもって紙の手形・小切手が廃止されることから、当システムも役目を終えることになります。
製品・サービス一覧
事務集中システムの製品・サービス一覧は、以下のページを参照ください。