
SBI損保とアルティウスリンク、生成AIで自動車事故受付のCX向上へ
ポイント
SBI損保とアルティウスリンクは、自動車事故受付センターにおける顧客体験(CX)向上を目指し、生成AIを活用した実証実験を開始した。応対データの分析や業務効率化を通じて、商品・サービス改善や顧客満足度向上を図る。 SBI損保とアルティウスリンクは4月15日、自動車事故受付センターにおける顧客体験(CX)向上を目的に、生成AIを活用した実証実験を開始した。両社はアルティウスリンクが提供するコンタクトセンター向けデータ活用プラットフォーム「Altius ONE for Support」を活用し、顧客対応業務の効率化や商品・サービスの改善を目指す。
今回の実証実験では、主に三つの取り組みを実施する。一つ目は、オペレーターの通話後の記録作業を自動要約することで、後処理時間を約35%削減することを目指す。二つ目は、生成AIによる応対データの分析により、顧客満足度と関連する要因を特定し、応対品質向上やオペレーター指導に役立てる。三つ目は、応対データから顧客の潜在的なニーズや改善要望を抽出し、商品・サービスの改善につなげる。
背景には、SBI損保が掲げる顧客中心主義と、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務改革がある。これまでのコンタクトセンター業務では、オペレーターの業務負荷や対応品質のばらつきが課題とされてきた。アルティウスリンクは、これまで1,300社以上のコンタクトセンター運営実績を持ち、そのノウハウを活かしてデータ活用による業務改善に取り組んでいる。
同様の取り組みは他社でも進んでおり、コンタクトセンター領域ではAIを活用した自動応答やチャットボットの導入が広がっている。一方で、生成AIによる顧客の声(VoC)分析や応対品質向上への活用は、金融業界において新たな試みといえる。
今後、SBI損保とアルティウスリンクは、実証実験の結果を踏まえて実業務への導入を検討するとしている。さらに、顧客満足度を予測するモデルの構築や生成AIの活用範囲拡大にも取り組む方針だ。
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