
JAバンク兵庫、NTTデータの需要予測AI「finposs」を導入
NTTデータは4月1日、兵庫県内のJAバンク兵庫に対し、個人向け需要予測AIサービス「finposs」を導入したと発表した。今回の取り組みは、兵庫信連および信連ビジネスセンターとの協業によって実現したもの。JAバンク兵庫では、同サービスの活用により、渉外活動の業務効率化と提案力の強化を図る。
finpossは、JAバンク兵庫が保有する組合員や利用者の取引状況データをAIで分析し、ローンや投資信託の需要を予測する。これにより、訪問先の選定がデータに基づいて行われ、職員がより需要の高い顧客を効率的に訪問できるようになる。これまでfinpossは主に融資業務で利用されてきたが、今回は新たに投資信託の需要予測にも活用範囲を拡大する。
JAバンク兵庫では、人口減少などの影響で地域金融機関を取り巻く環境が厳しさを増している中、組合員や利用者のニーズに即した提案力の強化が求められてきた。しかし、渉外活動では職員の経験則に依存する面が多く、訪問先の選定やニーズ把握に課題があった。こうした状況を受け、NTTデータは兵庫信連や信連ビジネスセンターと連携し、finpossの導入による業務改革に取り組んだ。
finpossでは、AIが人の感覚や経験に頼らない予測を行うことで、次の効果が期待されている。まず、資金需要が高い顧客への優先的な訪問が可能となり、成約率の向上が見込まれる。また、訪問先の選定にかかる時間が短縮され、職員の業務負荷軽減にもつながる。さらに、需要予測結果が可視化されることで、職員の気づきやノウハウ継承も支援される。加えて、AIによる判断根拠が明確に提示されることで、顧客満足度の向上も期待される。
NTTデータは今後、兵庫信連や信連ビジネスセンターと協力し、安全で信頼性の高いAIサービスの提供を通じて、JAバンク兵庫のさらなる成長と地域の持続的な発展に貢献する方針だ。また、JAが保有する総合事業データを活用したAIサービスの開発や、他県のJAへの展開も推進していくとしている。
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