
地銀初、足利銀行が不正防止強化へ「LIQUID Shield」採用
足利銀行は、Liquidが提供する顔画像を用いた不正検知サービス「LIQUID Shield」を導入した。地方銀行による同サービスの導入は初めてとなる。足利銀行は、Web口座開設サービスにおける申し込み時の本人確認データを対象に同サービスを活用する。顔画像や本人特定事項の使い回しがないかをチェックし、不正口座の開設防止を強化する狙いだ。
「LIQUID Shield」は、約3,000万件の事業者共通データベースを基盤とする不正検知サービスである。サービス申し込み時の本人確認(eKYC)やリスクの高い取引時に、事業者を横断して過去のデータと照合する。これにより、虚偽の疑いがある申請をリアルタイムで検知する。特に、顔画像を活用した不正検知に特徴がある。同じ顔画像で氏名や生年月日が異なる申請など、偽造書類を用いた不正の発見に有効だ。この仕組みは特許を取得している。
金融機関における非対面取引が増加する一方、不正な口座開設やサイバー犯罪の手口は年々巧妙化、高度化している。足利銀行では、これまでもeKYCの活用など、安全な金融サービスの提供に努めてきた。しかし、さらなる不正対策の強化が必要と判断し、従来の目視審査に加える形で「LIQUID Shield」の導入を決定した。導入にあたっては、インターネット銀行など、非対面受付が中心となる他の金融機関における不正データを活用できる点が評価されたという。Liquidによると、「LIQUID Shield」による月間の不正検知数は前年比で約2倍に増加しており、業界横断での対策の有効性が示されているとしている。
足利銀行は、試験導入の段階で実際に不正を検知した事例も確認している。同行は、業界横断での不正対策を強化することが、自行サービスのさらなる安全性向上につながると期待を示している。Liquidは、「LIQUID Shield」が2025年3月末時点で累計10,000件以上の不正を検知したとしており、今後も生体認証技術を活用し、利便性と安全性を両立させる社会の実現を目指す方針だ。
添付画像一覧
