
NTTデータ、生成AIでISO20022対応を支援
NTTデータとNTTデータ ルウィーブは2025年3月、生成AI技術を活用して金融機関や企業が保有する不規則な住所データを自動的かつ効率的に構造化する「ISO住所構造化サービス」の提供を開始した。このサービスにより、インターネットバンキング上の送金テンプレートや顧客管理システムなどの住所データを生成AIで自動的に項目別に整理し、ISO20022の新フォーマットへ対応させることが可能となる。
ISO20022は、国際標準化機構(ISO)が定める金融サービスに関連するデータフォーマットの共通化・標準化を目指した国際標準規格である。外国送金にかかる代表的な国際決済ネットワークであるSwiftは、外国送金時に使用する電文について、2025年11月までに新フォーマットであるISO20022への移行を予定している。これにより、金融機関や企業は、既存フォーマットから新フォーマットへの移行対応が求められている。
しかし、各国の住所定義は通称や旧称、特別区などの固有要素、通りや番地の番号表記順序などが異なり、これらをすべて体系的にまとめた情報は存在しない。このため、住所データの構造化作業は手間と時間を要する課題となっていた。
「ISO住所構造化サービス」は、NTTデータ ルウィーブの「STRUCTURIZ™」をベースに機能拡張し、NTTデータのクラウド基盤上に構築された共同利用型サービスである。各金融機関や企業は個別にシステムを構築する必要がなく、導入コストを抑えつつ、効率的にISO20022への移行を実現できる。
本サービスでは、企業のニーズに応じた2つの利用方法を提供する。まず、事前データ移行として、システムに登録されている顧客情報を事前にデータ移行(住所構造化)することが可能である。これにより、送金時にはすでに構造化された住所情報を使用して送金を行うことができる。
さらに、リアルタイム利用として、事前データ移行後に発生する新規取引先についても、本サービスを利用することで、随時住所の構造化が可能となる。これにより、金融機関や企業はシステム登録や送金を常に構造化された住所情報で行うことができる。
NTTデータとNTTデータ ルウィーブは、今後も生成AIを活用し、金融機関や企業が直面する制度対応や課題解決をサポートし、より効率的で信頼性の高いソリューションを提供していくとしている。
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