
日本生命、NDBデータ活用で医療費白書を作成
日本生命は3月24日、匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)を活用した「ニッセイ医療費白書」を作成し、2025年秋頃から自治体への無償提供を開始すると発表した。さらに、健康リテラシー向上を目的とした啓発活動も同時に展開する予定である。
NDBは、レセプト情報や特定健診・特定保健指導情報などを格納したデータベースであり、金融機関がその利用承認を得るのは今回が初めてとなる。「ニッセイ医療費白書」は、NDBデータを基に、東京大学大学院薬学系研究科・横浜市立大学データサイエンス研究科の五十嵐中特任准教授の監修のもと作成される。
この白書では、疾病ごとの有病率、患者一人当たりの医療費、住民一人当たりの医療費を集計し、性別や年齢を調整することで、高齢化率などの要素を排除した医療費課題を可視化する。これにより、全国約1,300の自治体(都道府県および人口1万人以上の市町村、東京都特別区)における医療費の傾向分析が可能となる。日本生命は、この白書の提供を通じて、自治体の政策立案や地域住民の健康増進への貢献を目指している。
また、健康リテラシー向上に向けた啓発活動として、適切な医療機関の受診方法や患者の心構え、医療知識の普及を図る。具体的には、「賢い患者になろう」をコンセプトとした「新・医者にかかる10箇条」啓蒙冊子の配布や、地域特性を踏まえた健康セミナーの開催を予定している。さらに、個人の健康状態や服薬状況を医療者へ正確に伝達するための健康管理(PHR)アプリの普及活動にも取り組む計画である。
日本生命は、これまでも「ニッセイ健康増進コンサルティングサービス(Wellness-Star☆)」を通じて、企業や自治体の健康増進取り組みを支援してきた。今回の新たな取り組みにより、分析から予防策の提供までトータルで支援し、地域の健康長寿社会づくりに寄与することを目指す。
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