
金融機関の個人情報をデジタル証明書化する新サービス登場
ポイント
株式会社Receptは、デジタルIDウォレット「proovy」において、銀行VCサービスをリリースした。これにより、ユーザーは金融機関に登録した個人情報をデジタル証明書としてスマートフォンに保存し、安全に外部事業者へ提示できる。DID/VC技術を活用し、銀行口座情報の再利用を可能にする国内初の商用サービスである。 株式会社Receptは3月11日、デジタルIDウォレット「proovy」において、新たに「銀行VCサービス」をリリースしたと発表した。これにより、ユーザーは自身のスマートフォンに金融機関に登録した個人情報をデジタル証明書として保存し、外部の事業者などに安全に提示することが可能となる。
このサービスは、金融機関が口座開設時や登録内容変更時に実施する厳格な本人確認データを再利用する仕組みを提供する。デジタル証明書のデータ規格や発行・検証プロセスには、DID(分散型識別子)およびVC(検証可能な証明書)技術を採用している。
銀行口座に紐づく個人情報を流通させる商用サービスの実現は、国内初の試みだという。現時点で、本サービスに対応している金融機関は、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、ゆうちょ銀行など9行だ。
近年、データ活用技術の向上やプライバシー保護意識の高まりにより、個人情報を取り巻く環境は急速に変化している。生成AIによるディープフェイクや偽装印刷技術の高度化など、新たな社会問題も浮上している。これらの背景から、金融機関が保有する個人情報を再利用する「銀行ID」の需要が高まっている。海外では既に先行事例が存在し、国内でも今後の普及が期待されている。
Receptは、DID/VC技術の社会実装を通じて、安全で便利なデジタル社会の実現に寄与することを目指している。2024年8月末にproovyをリリースして以来、多くの教育機関や資格団体で公式アプリとして採用されている。今後も、関心を寄せる事業者との共同プロジェクトを推進し、ユニークで新しい体験を提供していく方針だ。
添付画像一覧


×