富士通、高知信用金庫のシステムモダナイゼーション支援
ポイント
富士通は、高知信用金庫との協力で、既存システムをモダナイゼーションするプロジェクトを開始した。2030年までにメインフレームをオープンシステムに完全移行し、運用コスト削減や顧客満足度の向上、新たなビジネス機会創出を目指す。 富士通は、高知信用金庫と協力して、次世代基幹系システム「CORE01」を開発するモダナイゼーションプロジェクトを2025年1月から開始した。このプロジェクトは、高知信用金庫の現行システムをメインフレームからオープンシステムに移行することを目的としている。
富士通は、モダナイゼーションの専門的なスキルを持つメンバーと金融業務に詳しいエンジニアでチームを編成し、2030年1月までの完全移行を目指す。
背景にあるのは、金融業界における急速なデジタルトランスフォーメーション(DX)の波がある。エンジニアの不足やシステムの老朽化による維持コストの上昇、更新の困難さといった問題が顕在化している。
これに対処するため、本プロジェクトではシステムのオープン化、業務のスリム化、およびコンポーネント化を進める。また、セキュリティ対策も重視し、安全なシステム基盤を構築することで、運用コストの削減と顧客満足度の向上、新しいビジネスチャンスの創出を支援する。
高知信用金庫の現行システムは、富士通の開発効率化ツール「BAGLESⅡ」で作成されている。今回のシステム移行にあたっては、「BAGLESⅡ」、COBOL、NetCOBOLの知見を持つ富士通のモダナイゼーションマイスターが参画し、スムーズかつ正確な移行を支援する。さらに、AI技術や自動変換処理によるCOBOLの可読性とメンテナンス性の向上を図ることで、品質の向上も狙っている。
富士通と高知信用金庫は、約半世紀にわたってシステム開発の分野で協働してきた。この長年の関係を背景に、今回のプロジェクトは地域インフラとしての高知信用金庫の事業継続性の確保にも貢献することを視野に入れている。
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