CTC、金融DXを加速する「C-NOAH」をSaaSで提供開始
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、金融機関向けに業務アプリケーションとシステム基盤をサービスとして利用できる「C-NOAH」の提供を開始した。このサービスは、与信管理や融資支援などのアプリケーションを、AI技術とともにクラウド形式で提供するものである。CTCは、初期費用を抑えて業務の効率化を支援し、3年で30億円の売上を目指している。
金融業界では、大量の個人情報や取引データを取り扱うため、厳格なセキュリティ基準が求められる。CTCの「C-NOAH」は、これらの要件を満たしたインフラ基盤を提供し、月額制で利用できる。利用するアプリケーション数とインフラ基盤の使用量に応じた料金体系により、顧客は迅速にシステムを導入し、業務の効率化を進められる。
アプリケーションは、与信管理や融資業務向けの機能をベースに、AIによる議事録生成やチャット機能など10種類のAIモジュールを備えている。顧客のニーズに合わせたカスタマイズや新規アプリケーションの開発も可能で、柔軟な業務プロセスの構築に寄与する。また、システム基盤はAWS、Azure、GCPから選択でき、マルチクラウドでの構築も可能である。金融レベルのセキュリティ、システム監視、運用管理サービスが共通で利用できるのも特長だ。
「C-NOAH」には、特定の業界や領域に特化した目的特化型モデル(SSM:Small Specialist Models)と呼ばれるAIも含まれており、精度の高いデータ抽出やリスク分析が可能である。AIエージェントにより、対話の文脈や状況に応じた最適なSSMを自動で選択し、複雑なタスクに対応するシステムを提供することで、さらなる業務効率化を実現している。
CTCは、これまでの大規模システム構築の経験を活かし、金融業界の信用リスク管理やアンチマネーロンダリング分野でもアプリケーションの開発を進めている。今後も金融業界でのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し続ける方針だ。