SASとNeterium、リアルタイムスクリーニングシステムを発表
アメリカのデータAI企業であるSASは、ベルギーのレグテック企業Neteriumと提携し、新しいクラウドベースのリアルタイムウォッチリストスクリーニングシステムを発表した。このシステムは、銀行業界におけるマネーロンダリング(AML)およびテロ資金供与対策(CFT)の効率化を目指している。
このソリューションは、リアルタイムでの組織と支払いのスクリーニングを可能にし、説明可能な制裁判断をサポートする。Neteriumのウォッチリストスクリーニング機能をSASのプラットフォームに統合することで、金融犯罪リスクの軽減が可能となった。ヨーロッパの銀行では、誤検出を65%削減する成果を既に上げているという。
SASのシニアバイスプレジデント、スチュー・ブラッドリー氏は、「世界の地政学的情勢が変動し続ける中、このソリューションは銀行や関連企業にリアルタイムのインサイトを提供する重要性を強調します」と述べている。Neterium社の最高商務責任者、フローレンス・ヴチェンツィーニ氏も、「規制要件への対応や変化する金融犯罪リスクの軽減を支援する独自のソリューションを提供可能にした」と述べる。
SAS Real-Time Watchlist Screeningの主な特徴として、AIを活用したマッチング技術により誤検出を抑え、透明性を向上させる点が挙げられるという。すべてのデータポイントを一度に評価することで、商用ウォッチリストとの統合を実現。また、小規模から大規模なグローバル企業までさまざまな組織に実装が可能で、多額の罰金や法的措置のリスクを回避するために有効であるとしている。
SASとNeteriumは、このソリューションを国際的な金融機関に提供することで、金融犯罪対策の効率化と可視化を推進し、新たなスタンダードの確立を目指している。