EC事業者の4割が不正被害、EMV3-Dセキュアの普及が急務
かっこは、EC事業者の不正被害と対策意識に関する調査を実施し、その結果を明らかにした。この調査は、年々増加するクレジットカードの不正利用被害に対抗するために、業界全体の動向と対策の現状を把握することを目的に行われたものである。
調査結果によれば、2024年11月に実施された調査では、回答者の41.8%がクレジットカード不正や悪質転売といった不正注文被害を経験したことがあると回答。この割合は、前年よりも7.4%増加しており、不正ログイン被害も2社に1社が経験している現状だ。また、その中で特に目立つのがクレカ不正利用被害であり、被害額は主に25万円から50万円に及ぶケースが多かった。
不正対策に関する意識の向上も調査で確認されており、2025年3月末までに必須化されるEMV3-Dセキュアについては、認知率が87.6%と前年から10%増加した。また、クレジットカード・セキュリティガイドライン5.0版が推奨する「線の考え方」も、65.6%が認知していると回答しており、特に年商10億円以上の事業者では71.4%が内容を理解している。
対策の現状を見ると、不正ログイン対策を行っていない事業者はわずか3.8%と極少数であり、大半の事業者がIPアドレス制限や本人確認などの対策を実施していることがわかる。不正注文対策を行っている事業者も77.8%に達し、特に年商10億円以上の事業者においては81.8%が対策を実施している。
EMV3-Dセキュアは、不正注文対策として最も多く導入されており、前年の15.8%から驚異的に4倍の62.1%に増加した。さらに、EMV3-Dセキュアと属性行動分析の不正検知システムの併用が前年度から9ポイント増加の37.6%に達しており、多様な対策の必要性が高まっていることを示す。
この調査結果を受けて、EC事業者には不正被害の増加に対抗するさらなる対策強化が求められているとしている。特に年商10億円未満の事業者において、EMV3-Dセキュアの導入必須化の認知と対策の浸透が課題となっているという。