新経済連盟、インバウンドQR決済規制案に異議を表明
新経済連盟は12月24日、金融庁が審議を進める「クロスボーダー収納代行規制」案に対して、強い異議を表明した。同連盟は金融審議会の「資金決済制度等に関するワーキング・グループ」に意見書を提出し、EC決済やインバウンドQRコード決済の業務に深刻な影響をもたらす可能性を指摘している。
新経済連盟の意見は、今回の規制案が売主または買主が海外にいる場合に決済エコシステムに対して新たな規制を導入しようとしている点に強い懸念を示した。特に、EC決済や店頭決済における既存のビジネスが「資金移動業」として不必要に規制されることを危惧している。新経済連盟は、これまでのところ、規制の基礎となる具体的な立法事実が示されていないとし、リスクや実態の把握が不足していることを強調した。
さらに、新経済連盟は報告書案に記載された規制の方向性に一貫して反対の意を表明している。対処すべきリスクの明確化や影響の評価が十分でない段階で、規制の結論を急ぐべきではないと主張。また、規制の枠組みが決まらない状態で法律改正を行う方針にも反対した。その上で、具体的な考え方や定義が明確でないままに新たな規制を押し進めることは、既に行われているビジネスに重大な影響を及ぼすとして、再考を求めている。
こうした意見表明は、EC業者やインバウンド需要に応じる企業にとって重要なものである。特に、国境を跨ぐ取引が増加し続けている現代において、柔軟な決済手段の確保はビジネスの成長に不可欠である。新規制はこうした市場の流れに逆行するものであり、関係者間の更なる議論と慎重な検討が求められるとしている。
新経済連盟は、意見の詳細を自社のウェブサイトで公表しており、金融庁の報告書案も公開されている。今後の審議の行方には、業界内外からの注目が集まることだろう。