2024年スミッシング詐欺の動向、トビラシステムズが詳細レポートを公開
特殊詐欺やフィッシング詐欺の対策サービスを提供するトビラシステムズが、SMSを悪用したフィッシング詐欺「スミッシング」についての調査結果を公表した。同社の調査によれば、2024年のスミッシングの手口として、「荷物」「不在」「配達」など宅配関連の単語が頻出だったという。
トビラシステムズによると、スミッシングは、SMSとフィッシングを組み合わせた造語で、スマートフォン・携帯電話の普及やインターネットサービスの利用機会増加などに伴い、被害が拡大している。特に2024年には宅配事業者をかたるSMSに関連する単語が頻出し、また金融・決済サービスをかたるSMSに関連する「銀行」「取引」などの単語も目立った。
同年に確認されたスミッシング手口のうち最多だったのは宅配事業者をかたるSMSで、これは4年連続1位となった。また、新たな傾向として、官公庁やEC事業者をかたる手口が減少し、一方で電力会社やインターネットサービスなど、その他の様々な事業者をかたる手口が増加した。
スミッシングで悪用されたブランド名のランキングでは、「三菱UFJ銀行」が1位となった。また、「送電を停止する」などの文言が特徴の「東京電力」をかたるSMSが急上昇し4位となり、「Telegram」をかたるSMSも急増した。
近年、フィッシング詐欺で盗み取られた情報が悪用され、インターネットバンキングに係る不正送金やクレジットカードの不正利用などの被害が社会問題となっている。警察庁の発表では、2023年のインターネットバンキングに係る不正送金被害額は87.3億円まで急増し、2024年は上半期で24.4億円に上った。トビラシステムズの調査では、スミッシングの発生件数に連動して、インターネットバンキングに係る不正送金被害額が増減する傾向がみられた。
スミッシングの被害を防ぐためには、身に覚えのないメールやSMSが届いた場合、文面に添付されたURLに触らないこと、日頃利用するサービスは公式アプリやブックマークしたサイトから情報を確認すること、迷惑SMS対策サービスを活用し、フィッシング詐欺などの不審なSMSを自動で遮断することが重要とされている。