みずほとNTTデータグループ、生成AI活用の共同研究契約を締結
みずほフィナンシャルグループとNTTデータグループ、NTTデータは12月18日、生成AI技術を活用した法人営業の効率化と高度化を目指し、NTT版大規模言語モデル「tsuzumi」を基盤とした「〈みずほ〉特化型モデル」の開発に向けた共同研究契約を締結したと発表した。この共同研究は、両社の社会的価値を高めるとともに、〈みずほ〉における生成AI活用の新たな可能性を切り拓くことを目指している。
生成AI技術は現在、企業競争力の中核を成すものとなっており、〈みずほ〉とNTTデータグループは、この技術の進化に対応すべく共同研究を開始した。〈みずほ〉は、2023年6月にテキスト生成AIアシスタント「Wiz Chat」をリリースし、生成AIの社内利用を加速させている。また、2024年4月には「AIX推進室」を設立し、生成AIを用いた業務効率化や新規ビジネス開発を進めている。一方、NTTデータグループは、生成AIを活用した新たなビジネスソリューションの提供に力を入れており、2024年3月にはNTTより商用化が発表された生成AI「tsuzumi」の利活用に向けた施策の推進を加速している。
この提携では、「tsuzumi」をはじめとしたLLMの中でも比較的軽量なモデルをチューニングし、自社特化AIエージェントの実現を見据えた開発検証を実施する。これにより、〈みずほ〉のビジネス革新の可能性を追求する。
共同研究では、「tsuzumi」を活用し、〈みずほ〉のデータセットを基にした「〈みずほ〉特化型モデル」の開発と検証を行う。具体的には、「tsuzumi」の軽量かつ高効率な特徴を活かし、〈みずほ〉の新人研修資料や社内ナレッジといった内部データに加え、特定業界に関する企業データを継続事前学習させることで、〈みずほ〉や金融業界に関するドメイン知識を獲得する。高い精度と実用性を兼ね備えたモデルを実現し、グループ全体の知識資産を最大限に活用したソリューション提供へとつなげる。
今後は、本共同研究で構築する「〈みずほ〉特化型モデル」を、営業業務の効率化、高度化を実現するさまざまなユースケースへと展開する予定だ。企業分析エージェントや提案書作成エージェントなどを組み合わせることで営業活動の効率化・円滑化を目指す。さらに、その適用範囲を拡大することで、デジタルチャネルにおけるパーソナルエージェントの実現をはじめ、グループ全体の業務革新を支える中核的なソリューションの確立を目指す。また、「〈みずほ〉ならでは」のAI化とフィデューシャリー・デューティー(お客さま本位の業務運営)に基づいた対応強化も実現を目指す。