FinatextとNEC、保険システムのモダナイゼーションを共同で推進
Finatextと日本電気(NEC)は、保険会社のシステムモダナイゼーションを共同で支援すると発表した。
近年、保険業界は少子高齢化や自然災害の増大、デジタル技術を活用した新規参入や新サービスの開発など、市場環境が大きく変化している。これらの社会環境や顧客ニーズの変化に柔軟に対応可能なビジネスモデルやシステム環境の変革が求められている。具体的には、開発期間の短縮化や顧客体験価値向上のための保険業務に係わるデータの分析・活用・連携が挙げられる。
この状況を受け、デジタル保険領域用のSaaSソリューションを有するFinatextと、保険会社向けの豊富なシステムの開発実績と最先端の生成AIを持つNECが協業することになった。これらの課題に対応したソリューションを共同開発し、2025年度を目途に保険会社へ提供を目指す。
本ソリューションの特徴としては以下の4点が挙げられる。
まず、保険商品・サービスの提供開始までの期間を短縮するために「Inspire」というSaaS型デジタル保険システムを活用する。このシステムは2020年から提供されており、保険業務に必要な基本機能を備えている。新たに保険システムを構築する場合と比べて初期コストの低減が可能だ。
次に、業務の高度化を実現するためにNECの生成AI「cotomi」を活用する。これにFinatextの金融領域に関する専門性と知見を組み合わせることで、保険会社の業務の高度化を実現する。
さらに、ローコードツールを活用することで、開発者のスキルに依存せずに新商品の追加や商品改定時のUI開発、顧客体験の向上施策の企画・提案などを柔軟かつ速やかに行うことが可能になる。
最後に、ユーザー画面等のフロントエンドとデータベース等のバックエンドを分離し、カスタマイズ範囲を限定したアーキテクチャを採用することで、保険会社が一からシステム構成の検討・動作検証を行う必要がなく、迅速にシステム開発に着手できる。
FinatextとNECは、これらの特徴を有するソリューションを共同で開発し、2025年度中の提供開始を目指す。