野村総合研究所、日本企業のレガシーシステム問題解決へ新サービス開始

野村総合研究所（NRI）は、老朽化したシステムと運用体制を改革し、ビジネスや技術の変化に柔軟に対応できる状態を維持することで、中長期的なITコストやリスクを最小化するためのモダナイゼーションコンサルティングサービスを2024年11月から始めると発表した。

「2025年の崖」と称される課題の中でも、多くの日本企業が直面するレガシーシステム問題は、一過性の対応ではなく持続可能なシステム変革が必要だ。レガシーシステムの問題は、システムの肥大化や維持管理コストの増大だけではなく、経営や事業戦略上の制約となる可能性もある。

NRIは、これらの問題を解決するために、5～10年先を見据えた中長期的な視点に立ち、全体構造を俯瞰して、ステークホルダーを取り残さない管理を目指す。その第一歩として、エンタープライズアーキテクト（EA）組織の構築、現行システムの可視化、目指すべきグランドデザインとそれに至るまでのロードマップの提示、経営層との合意形成を進める。

NRIは、日本企業のシステムのモダナイゼーションをリードしてきた経験とノウハウを活かし、EAモダナイゼーションフレームワークを開発した。レガシーシステム問題の解決に向けて、このフレームワークを用いたサポートを行う。

さらに、レガシーシステムのモダナイゼーション実行フェーズでは、NRIの生成AI技術を活用し、維持保守が容易で、グランドデザインと方針を一致させるシステム構築を効率的に行う。具体的には、「AIリドキュメント」による複雑なシステムのデータフローやワークフローの半自動的な可視化、古い技術で書かれたプログラムをJavaに半自動的に変換する「AIリライト」などの生成AI技術を用いて、EAモダナイゼーションフレームワークのサイクルを加速させる。

NRIは、今後もこのサービスを進化させ、レガシーシステム問題に直面する顧客企業の課題の解決を支援し、日本企業の持続可能な成長と競争力の強化に貢献する計画だ。