東証と富士通、新たな株式売買システム「arrowhead4.0」を運用開始
東京証券取引所(東証)と富士通は、株式売買システムを更新し、「arrowhead4.0」を2024年11月5日から運用開始した。2010年から稼働している「arrowhead」は、この更新で4世代目となった。
本リニューアルでは、市場の利便性向上のため、クロージング・オークションの導入、注文ごとの相場情報配信サービスの提供、機関投資家などのユーザ単位での注文一括取り消し機能の導入といった施策を行った。さらに、取引機会を最大化するため、取引時間の延伸と、レジリエンス(障害回復力)の強化を行う。
市場の利便性向上策として、終値形成の透明性を向上させるため、後場の15時25分から、5分間の注文受付時間を設けた後、15時30分に板寄せを行うクロージング・オークションを導入する。また、注文ごとの相場情報を配信するMarket by Order型の相場情報サービスを提供する。さらに、ユーザ単位で複数の注文を一括で取り消す機能を導入する。
取引機会の最大化策として、投資家の取引機会を拡大し、市場の利便性を向上させるため、東証の取引終了時刻を15時00分から15時30分に30分延伸する。レジリエンスの強化策として、取引情報を三重化して複数サーバで並行動作させることで、障害時のサーバ切り替えやデータの保全性を確保し、安全なシステムの稼働を実現する。
富士通グループの高信頼・高性能サーバと新たな高信頼化・高速化技術を組み入れたミドルウェアなどの最新製品と、長年のシステム構築実績によるエンジニアのノウハウや技術力を結集し、システムの信頼性と処理性能を向上させた。
今後、東証と富士通は、市場を巡る環境変化や多様化する投資家のニーズに対応するとともに、市場利用者の利便性や東京市場の国際競争力、レジリエンスをさらに高める。さらに、安全な市場取引の実現を通じて、マーケットの発展に努めるとしている。