三井住友銀行とACSiON、業務提携し不正対策を強化
三井住友銀行とACSiONが業務提携契約を締結した。この提携で両社は、健全な金融システムの維持と顧客に安心で利便性の高い金融サービスの提供を目指す。
近年、電話やインターネットを利用した特殊詐欺の被害が増加し、その手口もますます巧妙化している。詐欺被害者から得られた犯罪収益は、偽造本人確認書類を用いて不正に開設された銀行口座や不正に第三者に売却された銀行口座を通して資金移転され、マネー・ローンダリングに利用されている。これにより金融システムが悪用されるリスクが高まっている。
このような環境下で、ACSiONはネット銀行や地方銀行へのデータ分析や取引パターンの提示を通じて不正対策のコンサルティングを行い、ノウハウと実績を蓄積してきた。一方、三井住友銀行はこれまでも国内メガバンクとして不正対策に取り組んできたが、今回の提携により、これまでの対策の更なる強化と、ネット銀行等の他行でみられる新たな口座不正開設・不正利用の情報を素早くキャッチし、標的対象を変えながら行われる口座不正開設・不正利用の未然防止対策を強化する。
提携により、両社はノウハウを共有・アップデートし、相互に補完・強化し、不正対策の協力体制を構築し、金融システムの健全性を守るために協力する。金融業界全体の健全性を高めるための一歩として、ACSiONと三井住友銀行は、より高度な不正対策の実現と、顧客に対する信頼性と安全性を一層向上させることを目指す。
提携による主な取組は、口座不正申込・不正利用への対策協力と、本人確認書類真贋判定による不正検知能力の向上だ。発見された口座不正開設や口座不正利用の最新手口やトレンド、取引パターンの特徴、データ分析方法および分析結果、これらに対する有効な対応策等を開示し、両社のノウハウの向上と不正対策強化に相互協力する。