
SBI損保とMS&ADインターリスク総研、雹災害予測モデルの精度検証PoCを実施
ポイント
SBI損保とMS&ADインターリスク総研は、ダイレクト型損保としては初となる降雹予測モデルの概念実証(PoC)を2025年3月に実施した。両社の気象ビッグデータと自動車保険金支払い実績を活用し、今後は契約者への降雹アラート配信を目指す。 SBI損害保険とMS&ADインターリスク総研は2025年3月、雹災害の発生予測モデルの構築および精度検証を目的とした概念実証(Proof of Concept、PoC)を実施した。これは、ダイレクト型損害保険会社としては初めての独自開発による降雹予測モデルとなる。両社は今年度中にも、契約者への降雹アラート配信の開始を目指し、さらに具体的な検討と体制整備を進めていく予定だ。
近年、気候変動の影響により雹災害の発生頻度が高まっている。建物や農作物への被害はもちろん、自動車の損傷も全国的に相次いで報告されている。SBI損保ではこれまで、雹災害発生時の集中する事故連絡に対応するため、修理予定の確認や保険金請求の意思確認を可能にするパーソナライズド動画の導入や、ドライブイン形式による損害確認などの施策を導入し、被害者の負担を軽減してきた。
しかし、雹は局地的かつ短時間で発生する気象現象であり、従来から予測や事前通知が極めて困難だった。被害が出てからの対応だけでなく、発生リスクをあらかじめ契約者に知らせることで、自動車を屋根付き駐車場へ避難させたり、専用カバーを装着するなどの事前防災行動を促し、所有する車などの財産を被害から守ることができるのではないか―。こうした課題認識のもと、SBI損保とMS&ADインターリスク総研は共同でこの新しい取り組みに乗り出した。
具体的には、両社が有する自動車保険金の支払い実績データと気象ビッグデータ、そして独自のAI技術を組み合わせて、雹災害の発生予測モデルを構築。その精度の検証を目的とした概念実証を実施した。今後はさらなるモデル精緻化を図りつつ、2025年度中の降雹アラート配信開始を見据えて取り組みを本格化させる予定だ。
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