
住友生命、営業職員育成にAIロールプレイング導入 新人教育を革新
住友生命は4月25日より、営業職員育成における変革の一環として、新人層の営業職員を対象にAIロールプレイングシステムの運用を開始する。同社は2021年8月からCVCファンド「SUMISEI INNOVATION FUND」を通じてエクサウィザーズと共同で、AIを活用した営業職員体制の進化プロジェクトを進めてきた。今回のシステム導入はその取り組みの一環であり、営業活動の質向上や業務運営の高度化を目指している。
従来、住友生命では営業職員のスキル習得を目的としたロールプレイング(ロープレ)訓練を実施してきた。しかし、その運用にはトレーニングの機会やロープレ相手の確保、上司による指導内容のバラつきといった課題があり、新人職員の成長ペースに格差が見られていた。そうした状況を受けて、AIを活用したシステムの開発を進め、今回の導入に至った。
新たなロールプレイングシステムでは、顧客役を担当するAIアバターと対話形式で訓練を行う。営業職員はシナリオに沿って、顧客対応に必要な標準的な話法を繰り返しトレーニングでき、AIが話し方の流れや内容の適切さを自動で評価する。これにより、営業職員一人ひとりが自己のペースで訓練できるほか、記録映像を用いて表情や話し方を客観的に確認し、さらなるスキルアップにつなげることが可能となった。上司も結果映像を確認し、効果的なフィードバックをタイムリーに提供できる仕組みとなっている。
さらにこのシステムでは、営業職員の習熟度や苦手分野ごとに効率的なトレーニングメニューの提供が可能だ。AIによる評価では、話の順序や重要ワードの取りこぼし、禁止語句の有無なども判定され、公平かつ正確な指導が実現する。
今後は本システムの高度化と生成AIの活用による臨機応変な会話訓練への発展も視野に入れる。また、既存のAI顧客情報管理システムとも連動させることで、営業活動前の事前シミュレーションやさらなるコンサルティング力の強化にも取り組む方針だ。
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