
TIS、デジタル基盤オファリングに高レジリエンスオプションを追加
TISは2025年春から、「デジタル基盤オファリングサービス」に新たな高レジリエンスオプションを追加して提供を開始すると発表した。このオプションは、クラウドネイティブな高可用性プラットフォームをAWS上で実現し、FinTech企業や決済システム運用に課題を抱える企業を対象としている。
新オプションでは、PingCAPのNewSQLデータベースである「TiDB」を採用している。TiDBはマルチプラットフォームに対応し、ミッションクリティカルなシステムに必要な高スループットと可用性を提供する。また、従来のRDBインターフェースを継続して使用しつつ、柔軟な処理能力の変化とデータの自動複製を可能にする。これにより、サーバ購入などのコストを抑えながら高性能を維持することができる。
キャッシュレス化の進展が背景にあり、経済産業省の調査によると2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%に達している。しかし、旧式のオーソリゼーションシステム運用が多く、これが企業の課題として顕在化している。TISの調査では、調査対象企業の約35%がシステム運用における耐障害性や性能に不満を抱えていることがわかった。さらに、専門人材の不足や運用コストの硬直性が、アーキテクチャ改善の障壁となっている。
このような状況下でTISは、「高レジリエンスオプション」を通じてクラウドネイティブでレジリエントな運用を実現し、企業がビジネス環境の変化に柔軟に対応できるよう支援する。AWSのマルチリージョン構成による広域障害への対応や模擬障害時の稼働率99.9999%達成など、障害に対する強さも兼ね備えているという。
TISは今後も多様なハイブリッドクラウドニーズに対応し、デジタル基盤の拡充を図りながら、サービスの自動化と効率化を追求する方針だ。
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