金融庁、資金移動業と暗号資産に関する新規制案を公表
ポイント
金融庁は1月22日、資金決済制度等に関するワーキング・グループの報告書を公表した。クロスボーダー収納代行の規制適用や、前払式支払手段(プリカ)の寄附利用の解禁などが提案された。暗号資産の国内保有命令も検討されており、資金移動と暗号資産分野で新たな変化がもたらされる。 金融庁は1月22日、資金決済制度等に関するワーキング・グループの報告書を公表した。送金・決済サービスと暗号資産に関する新たな規制案が盛り込まれている。
この規制案では、前払式支払手段(プリカ)の寄附利用を解禁し、クロスボーダー収納代行業への規制を適用するべきだと提案されている。これにより、金融の安全性を保ちながら、サービスの利用者利便性の向上を目指すという。
前払式支払手段については、これまで寄附としての利用が制限されていたが、今回の提案では、国や地方公共団体など認可を受けた法人への寄附に限定し、1回あたり1~2万円を上限に認める方向だ。これは、マネーロンダリングや詐欺の可能性を抑えつつ、プリカの有効利用を促進する狙いがある。
一方、クロスボーダーの資金移動を手掛ける収納代行業者に対しては、現行制度では必ずしも資金移動業の登録が要求されていない。しかし、海外オンラインカジノや投資詐欺などの不正利用事例が指摘されているため、国際金融安定理事会(FSB)の勧告を受け、利用者保護の観点から規制適用が必要とされた。新たな枠組みにより、利用者資金の安全が強化されることが期待される。
さらに、暗号資産に関しても新たな規制が提案されている。暗号資産交換業者が破綻した場合、資産が国外に流出するリスクを防ぐために、国内保有命令を発出する法的枠組みの整備が求められている。
これらの提案は、日本全体の金融安定性とユーザーの利便性を両立させることを目指しており、グローバルな金融環境の中で日本が適切に対応するための基盤強化に寄与すると期待されている。
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