三菱UFJ銀行、不祥事を受けた再発防止策を発表
ポイント
三菱UFJ銀行は、元行員による貸金庫からの資産窃取事件に関して、原因分析と再発防止策を講じることを発表した。貸金庫の予備鍵管理の強化や本部による監視体制の改善に取り組み、信頼回復を目指す。また、関係役員の報酬を減額することで責任を示す方針だ。 三菱UFJ銀行は2025年1月16日に、2024年に元行員が起こした貸金庫からの顧客資産窃取事件に関する対応と再発防止策を発表した。調査では被害総額が約14億円に達し、うち約40件・7億円の補償をすでに実行している。今回の発表では、事件の発生原因を分析し、それに基づく再発防止策を示した。
主な発生原因として貸金庫管理の手続きとルールの不備、拠点内部や本部による監視不足が挙げられている。貸金庫の予備鍵管理が杜撰で不正が容易だったとしており、手続きやルールの見直しと管理強化の一環として、本部による一括管理を導入することを決定した。
加えて、支店マネジメントによるモニタリング体制を強化し、不正の早期発見を図ることを目指している。本部の監督機能を強化し、リスク管理の徹底に向けた組織的な仕組みを整備する予定だ。
また、関係役員に対する処分として、取締役会長や取締役頭取執行役員などの報酬を30%減額することを発表した。これにより、社会的信頼の回復に全力を尽くす意向を示している。
すでに不祥事の中心となった行為者は逮捕され、事件の捜査は警察と連携して進められている。銀行は、顧客への補償を引き続き進め、信頼回復に向けた取り組みを強化する方針だ。
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