SCSKとFPTジャパン、「COBOL PARK」設立で2025年の崖を乗り越える
10月29日、SCSKとFPTコンサルティングジャパン(以下 FPTジャパン)は、レガシーシステムの課題解決を目指す新会社「COBOL PARK」設立に向けた協議を開始したと発表した。2025年3月の設立を目指している。
「COBOL PARK」は、金融機関を中心にメインフレームを利用する企業へ、既存システムの維持やマイグレーションに向けた道筋を提供する予定だ。これにより、レガシーシステムの全体最適化を促進し、企業が経営資源をより戦略領域に振り向けることを可能にし、企業のDX推進と競争力強化に寄与するとしている。
新会社の名称「COBOL PARK」は、60年以上もの間、メインフレームにおけるプログラミング言語の主流である「COBOL」から取られている。これは、日本企業が今後もレガシーシステムを活用し続けるという強い意志を象徴する。
経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」が間近に迫る中、老朽化したシステムの継続的運用は、企業のビジネス継続リスクをはらんでおり、社会課題となっている。特に、高い処理能力と信頼性が求められるメインフレームは、金融機関で長年にわたり運用され、安定性・堅牢性が求められている。
しかし、メインフレームのシステム開発で利用されてきたCOBOLを中心としたレガシーテクノロジーのエンジニアの育成が、熟練技術者の高齢化、若手の新規学習者の減少などにより難しくなっており、レガシーシステムを刷新の際に現行仕様を把握するエンジニアの確保も困難になっている。
そのため、SCSKとFPTジャパンは、2018年に締結したアジア太平洋地域におけるITサービス事業での包括的協働パートナーシップを活かし、メインフレームを有する企業の事業継続を実現することが社会に貢献するミッションだという価値観を共有し、「COBOL PARK」設立の基本方針合意に至った。
また、長年にわたり幅広い業界にシステムを提供してきたSCSKと、ベトナムを中心とする世界30カ国に展開するFPTソフトウェアの若く勤勉な高度IT人材との協力により、レガシーシステムの継続的な利用を実現する計画だ。